2013年4月18日木曜日

《修道会の心臓》


人の体の中心は心臓で、至る所・手足の末端にまで支流を走らせ私達の命そのものと言っても過言ではない真っ赤な血を送り、体の生を司っている。同じ様に私たちの修道会の心臓は総本部だと思う。そしてここでは総長はじめ総評議員によって修道会のすべてをまるで心臓の様に運営している。世界中の修道院の動き、新しい使徒職の事、祈りの必要なこと、病気の姉妹のこと、ありとあらゆること全てをまるで心臓と同じ様にこの総本部で統治している。                                     

そして何より、霊的心臓と思われる所は、私たちの修道会の創立者、『ご聖体のマドレマリア・テレサ』の遺体が安置されていること。彼女は19047月にメキシコで生まれたが、2012421日にメキシコで列福され今は福者の位にあげられている。創立者の事を私たち娘達は愛を持って<お母さん> ヌエストラマドレと呼んでいるが、ヌエストラマドレはメキシコにあった総本部がローマに移って以来、1981年に亡くなるまで15年程この総本部に住んでいました。私は彼女と一緒に住んだことはありませんが、一緒に住んでいた姉妹達にとってこの総本部は今でも彼女の匂い、足跡、思い出が沢山残って居るし、何を見ても彼女を感じる様です。私でさえもまだ創立者が亡くなっていることが時々信じられなくなります。創立者がまだ私たちと共に生きている錯覚になるのです。ヌエストラマドレは生きている間に宣教クララ会員としてどのように生きるか・・・  会憲はもちろんですが、その行いで、言葉で、書き物で模範を残してくださいました。 『神に愛されているものとして喜びのうちに日々み旨を生きること!!』  そして彼女もその様に生きていました。

 私たちは世界中から多くの祈りを頼まれます。個人的、そして修道会の姉妹、家族、恩人友人、後援者、今、知り合いになった人々から病気や怪我、苦しみなどの多くの癒しのために本当に世界中から祈りを頼まれます。私たちは毎日ミサの中で、個人で祈るロザリオや十字架の道行、聖体訪問や信頼のロザリオ、仕事の間に唱える射梼、わずかの間にも彼女の遺体の前に行きヌエストラマドレの取次ぎを祈っています。又、総本部では一日の終わりに聖堂を去る前、全員で彼女の前に跪き、祈りを頼まれた一人ひとりの名前を唱え、彼女の取次ぎを祈ります。創立者がまだ生きている時に『私は死んで後、娘達と共に働く』と書いていますから、きっと今も私たちの内に私たちと共に働き、取り次いで下さっていると確信しています。

 こんな訳で私は総本部を心臓と感じたのです。

ほとんどの修道会は本部を教皇様のお膝元に置きますが、私たちの修道会も例にもれずそうです。私の住んでいた修道院から車で15分程のところに総本部があり、総本部は総長と評議員を初め、学生の姉妹達や若い姉妹達が住んでいます。ローマに3つの修道院がありますが、何かあるとこの本部修道院に集まります。だから私も何回も行きました。私はローマに住んでいた4年間、巡礼者の宿として食事を作ったり、客室の掃除をしたりしながらローマにいらっしゃる方々のお世話をすることを使徒職としている修道院に住んでいました。ローマはあらゆる時代の歴史が顔をだしている街、特にキリスト教の歴史、そして教皇様にお会いできる街ですからヨーロッパはもちろん、アフリカ、アメリカ、そしてアジアから沢山の方々が巡礼にいらっしゃいます。懐かしい日本からも神父様、シスターそして若者達がいらっしゃいました。

今では創立者の前に直接行けませんが、修道会の心臓のそばに居たものとして彼女の取次ぎを深く祈って行きたいと思います。確かに創立者は私達のそばにいつも居て下さっていると確信していますから。